常に介護が必要な重度の障害を持つ方は様々な支援が必要であり、本人や家族の経済的な負担も少なくないでしょう。
重度心身障害者手当は、重度の知的障害や身体障害を持つ方の経済的な負担を軽減することを目的として支給されるお金です。
この記事では、重度心身障害者手当の対象者や申請方法、豊島区での問い合わせ先についてわかりやすく解説します。
重度心身障害者手当は、重度の知的障害や身体障害がある方の生活を支援するために東京都から支給されます。
受給資格が認定されると、毎月6万円が指定した金融機関に振り込まれます。
受給するためには、各市町村を通じて東京都に申請、判定してもらうことが必要です。
障害の重症度による判定基準と、所得による判定基準のどちらも満たす人が対象です。
それぞれの判定基準を解説します。
重度心身障害者手当を利用するためには、以下の基準のどれかに該当する必要があります。
・重度の知的障害があり、常に複雑な介護が必要な方
・重度の知的障害と重度の身体障害が両方ある方
・手足が非常に不自由で、座っていることが難しい方
新しく申請する時に、65歳以上の方は対象になりません。
東京都の判定で認定が決まり、該当しないと判断された場合は支給できません。
以下の方は、障害が固定するまで医学的判断ができない場合があるため、障害が固定してから申請しましょう。
1. 脳血管障害、頭部外傷、脳挫傷、低酸素脳症などの発症から6ヵ月を経過していない方
2. 3歳未満の乳幼児
重度心身障害者手当を受け取るためには、20歳以上の方は本人、20歳未満の方は扶養義務者の判定所得額が基準以下であることが必要です。
扶養義務者とは、対象となる重度心身障害者の生計を維持する方(親や祖父母・兄弟など)のことです。
判定所得額は、前年所得(申請する月が1月から10月となる場合、前前年の所得)から社会保険料控除(支払った健康保険や年金などの保険料の金額)、医療費控除(支払った高額な医療費)、障害者控除等の控除を引いて計算されます。
判定所得額=所得金額-(社会保険料控除等+障害者控除等)
判定所得の基準額は以下の表のとおりです。
判定所得額が基準額よりも多い場合は、重度心身障害者手当の対象にはなりません。
扶養親族数 | 0人 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 |
基準額 | 3,604,000円 | 3,984,000円 | 4,364,000円 | 4,744,000円 | 5,124,000円 |
さらに、以下に該当する場合は、基準額にそれぞれの金額が加算されます。
・老人控除対象配偶者、老人扶養親族(生計を共にしている70歳以上の配偶者や親族)1人につき10万円
・特定扶養親族(扶養控除の対象となる親族のうち、19歳以上23歳未満の人)1人につき25万円
控除できる(一定の金額を差し引ける)種類と金額は以下の表のとおりです。
控除できる金額は、本人の所得で判定する場合(20歳以上)と扶養義務者の所得で判定する場合で金額が変わります。
控除の種類 | 本人の所得で判定 | 扶養義務者の所得で判定 |
社会保険料控除 | 相当額 | 8万円 |
医療費控除 | 相当額 | 相当額 |
雑損控除 | 相当額 | 相当額 |
小規模共済掛金控除 | 相当額 | 相当額 |
長期(短期)譲渡所得の特別控除 | 相当額 | 相当額 |
配偶者特別控除 | 相当額(上限33万円) | 相当額(上限33万円) |
特別障害者控除(本人) | - | 40万円 |
特別障害者控除(扶養1人につき) | 40万円 | 40万円 |
障害者控除(本人) | - | 27万円 |
障害者控除(扶養1人につき) | 27万円 | 27万円 |
勤労学生控除 | 27万円 | 27万円 |
寡婦(夫)控除 | 27万円 | 27万円 |
ひとり親控除 | 35万円 | 35万円 |
各所得の内容や計算は複雑なため、手当を受給したい場合は実際に窓口へ相談することをおすすめします。
次のような場合には、手当を受け取る資格がなくなるので注意しましょう。
・施設等に入ったとき(短期入所の場合は、手当を受給できることがあります。)
・所得が基準額を超えたとき
・病院に3ヵ月以上入院することになったとき
重度心身障害者手当を受け取りたい方は、豊島区役所4階にある障害福祉課(給付グループ)に相談しましょう。
住所:〒171-8422 豊島区南池袋2-45-1豊島区役所4階
電話番号:03-3981-1963
上記のほか、豊島区役所コールセンターは年中無休で電話対応が可能です。豊島区の担当課への引継ぎのほか、各種手続きや制度、施設案内等、オペレーターに相談できます。
豊島区役所コールセンター電話番号:03-3981-1111(利用時間:午前8時から午後7時まで)
申請の際は、障害福祉課(給付グループ)への連絡が必要です。
申請時には以下のものを用意しましょう。
・障害者手帳・愛の手帳(持っている人)
・印鑑
・本人確認書類(手帳を持っていない場合)
・マイナンバーが確認できるもの(20歳未満の方は、扶養義務者のマイナンバーが確認できるものが必要)
申請方法について、詳しくは障害福祉課(給付グループ)にお問い合わせください。
重度心身障害者手当は、重度の知的障害や身体障害がある方の生活を支援するために東京都から月6万円支給されるものです。
障害の重症度による判定基準と、所得による判定基準を満たした場合に対象となります。
手当を受け取ることで、重度心身障害者の方や家族の経済的な負担を軽減できます。
制度について詳しく知りたい場合は、豊島区の障害福祉課(給付グループ)にお問い合わせください。
豊島区ホームページ:重度心身障害者手当(都制度)|豊島区公式ホームページ
https://www.city.toshima.lg.jp/443/kenko/shogai/teate/013082.html
東京都心身障害者福祉センター:東京都重度心身障害者手当|障害者手当|東京都心身障害者福祉センター
https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/shisetsu/jigyosyo/shinsho/teate/juudo