難病患者のための障害者手帳制度について

1. 制度の概要

障害者手帳は、身体や精神に障害がある方が生活の支援を受けるために交付される証明書です。難病を持つ方も、病状によっては障害者手帳の対象となり、医療費助成や税控除、交通機関の割引などの支援を受けることができます。


障害者手帳には以下の3種類があります。

身体障害者手帳(1~6級):身体に障害がある方が対象。難病に起因する視覚・聴覚障害、肢体不自由、内部障害(心臓、腎臓、呼吸器疾患など)も該当する場合があります

精神障害者保健福祉手帳(1~3級):精神疾患(こころや脳の病気)を持つ方が対象

療育手帳(自治体により異なる:A・B、1・2など):知的障害のある方が対象(自治体により名称が異なる)


難病患者の方が障害者手帳を取得することで、医療費助成や福祉サービスの利用が可能です。ただし、対象となるかどうかは病状の進行度や症状によって異なります。


障害者手帳で受けられる主な支援

医療費助成

指定難病の医療費助成制度と併用可能な場合があり、自治体によっては、医療機関での自己負担が軽減されることがあります。障害者手帳の医療費助成は自治体によって異なっているので、注意が必要です。

特別障害者手当

重度の障害がある場合に支給されます。支給額は月額28,840円です(令和6年4月時点)。

交通費助成・割引

JRやバス、タクシーの運賃割引、高速道路の通行料割引などがあります。

税控除・減免など

障害者控除により、所得税や住民税の控除が受けられます。納税者だけでなく、一定の配偶者や扶養親族についても適用することができます。また、自動車税の減免、NHK料金の割引などもあります。

福祉サービス

障害者総合支援法で規定されているサービスの利用ができます。就労移行支援や就労継続支援などの就労サービス、ヘルパー等様々なサービスがあります。

公共施設の利用優遇

博物館や動物園、水族館などの公共施設の割引がある場合が多いです。

障害者雇用

障害者手帳を持っている場合、企業の障害者雇用で働くことができます(障害者雇用でなくても働くことはできます)。障害者手帳を取得して働く場合、企業側に合理的配慮を求めることが可能です。

障害者手帳で受けられるサービスは、各自治体独自のものも多いです。お住まいの市区町村の自治体に確認を取ってみることをお勧めします。


2. 利用できる対象者

障害者手帳は、診断された病気や症状の程度によって交付が決まり、また各障害者手帳には障害の重さにより等級が決められます。以下は、障害の特徴と具体例になりますが、実際に障害者手帳の対象となるかは分かりません。

 ● 身体障害者手帳(1~6級):身体障害を持つ方。目が見えない、耳が聞こえない、身体の欠損がある(手足が無い)、内部障害(心臓や腎臓等の内臓に障害がある)等の方が対象となります。

 ● 精神障害者保健福祉手帳(1~3級):精神障害(統合失調症、気分障害:うつ病や双極性障害、不安障害等の方)や発達障害(ASD:自閉症スペクトラム障害、ADHD:注意欠如・多動性障害など)を持つ方。

 ● 療育手帳(自治体によって等級は異なる):知的障害はIQ(知能指数)で判定されます。


 厚生労働省指定の難病を持つ方も対象となります。また、障害により日常生活や社会参加が制限される方も対象となります。

 また、手帳は複数持つことも可能です(身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳など)。


3. 制度利用の注意事項

申請手続きが必要

市区町村の窓口(福祉課、障害福祉課等の名前が多い)で申請を行います。医師の診断書や意見書を提出し、障害の程度が審査されます。障害の種類によって審査期間が異なり、1~2ヶ月かかる場合もあるので注意してください。

また、申請をした後審査があるため、申請をして必ず手帳がもらえるという訳ではありません。審査の結果として手帳の等級が決まります。

更新手続きが必要な場合がある

障害者手帳の有効期限は、自治体や等級により異なります。症状が変化した場合、新たに診断書を提出し、更新手続きを行う必要があります。

手帳の紛失・再発行

紛失した場合、再発行の申請が必要です。紛失時は速やかに自治体へ相談しましょう。

4. 制度利用の問い合わせ先

障害者手帳に関する相談は、以下の窓口で行うことができます。

市区町村の福祉課・障害福祉担当窓口(窓口名は市区町村により異なります)

申請手続き、障害者手帳で受けられるサービス等について相談できます。

その他、障害者雇用に関してならハローワーク、障害福祉サービスに関しては市区町村窓口や相談支援事業所等で相談できます。

また、病院の医療相談窓口等でも手帳の相談はできることが多いです。


まとめ

障害者手帳は、難病患者の方にとって重要な支援制度の一つです。医療費助成や交通費の割引、税控除など、多くの支援を受けることができます。

ただし、手帳の取得には診断書が必要で、更新が求められる場合もあります。また、自治体ごとに受けられるサービスに違いもあるため、住んでいる地域の福祉課で詳細を確認することが大切です。

この記事が、難病患者の方やそのご家族にとって、障害者手帳制度の理解を深める助けとなれば幸いです。


【参考文献】

障害者手帳|厚生労働省

障害者手帳で行こう!~全国版~