就労支援

就労支援とは、働く意欲はあるのに障がいや病気によって働くのが難しい人をサポートします。働くために必要なスキルアップだけでなく、安定して働けるように必要な能力を身につけるトレーニングを提供します。就労支援には「就労移行支援」と「就労継続支援」の2種類があります。それぞれ概要や対象者、利用する時の注意点、問い合わせ先について詳しくみていきましょう。


制度や支援センターの概要

就労支援について以下の2つを解説します。

● 就労支援とは

● 支援内容

ひとつずつみていきましょう。


就労支援とは

就労支援は、病気や障がいがあるために一般の会社で働くのが難しい人をサポートする福祉サービスです。就労支援は「仕事をみつける」だけではありません。仕事に慣れるための練習や長く働き続けられるようにするためのサポートをします。一人一人の状況に合わせて、仕事だけでなく、生活全般についても支援を行うのが特徴です。

就労支援には大きく分けて2つの種類があります。就労移行支援と就労継続支援です。

就労移行支援は、一般の会社で働けるよう準備するためにサポートするのが目的です。就労継続支援は福祉施設で働きながら、自分のペースで仕事を覚えていけるようになっています。この2つの支援は、利用する人の希望や状況に合わせて選択できます。どちらの支援も、その人らしく安心して働けることが目的です。


支援内容

就労支援には「就労移行支援」と「就労継続支援」という2つの支援サービスがあります。

以下に示します。

1.就労移行支援

一般の会社で働くための準備をする支援です。就職するまでの準備期間なので給料は発生しません。支援を受けられる期間は原則2年間です。主な支援内容は3つあります。

● 職業訓練

仕事に必要な技術や知識を身につける練習をします。

● 就職活動支援

履歴書の書き方や面接の練習、職場を探す支援をします。

● 職場定着支援

就職した後も困りごとがないか相談に乗ってくれます。

2.就労継続支援

働きながら訓練を受けられる支援で、A型とB型の2種類があります。期間の制限はありません。

● 就労継続支援A型

会社と雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の給料がもらえます。一般の会社に近い形で働けます。

● 就労継続支援B型

雇用契約は結びませんが、作業した分の給料はもらえます。一般の会社や就労継続支援A型で働くのが難しい人向けの支援です。

それぞれの支援は、利用する人の状況や希望に合わせて選択できます。


利用できる対象者

就労移行支援を利用できるのは、次の3つの条件に当てはまる人です。

1.65歳未満の人

基本的には65歳未満の人が対象です。65歳になる前に5年間障害福祉サービスの支給決定を受けていて、就労移行支援の支給決定を受けていた人は原則として2年間利用することができます。

2.障がいや難病のある人

身体障がいや知的障がい、精神障がい、発達障がいのある人が対象です。特定の難病を持っている人も利用できます。対象となる難病は、法律で決められていて全部で361種類あります。

3.一般就労を希望している人

一般就労とは、会社やお店、公的機関などに就職して働くことです。働くための準備をしたい人が就労移行支援を利用できます。

就労継続支援の対象者を解説しましょう。

就労継続支援A型の対象者は以下のような人です。

● 身体障がいや知的障がい、発達障がい、精神障がい、難病のある人

● 原則18歳から64歳の人(65歳以上でも利用できる場合あり)

A型では、企業などと雇用契約を結び給与をもらいながら働きます。

就労継続支援B型の対象者は、以下のような人です。

● 仕事の経験はあるが、年齢や体力の問題で一般企業で働くのが難しい人

● 50歳以上の人

● 障害基礎年金1級を受けている人

B型は雇用契約を結ばずに自分のペースで働けます。原則18歳以上ですが、児童相談所などが認めた場合は15歳以上でも利用できます。


制度利用の注意事項

就労移行支援と就労継続支援は、どちらも「働くための訓練を受ける」という点では同じですが、目的や給与、利用できる期間が違います。どちらを選ぶか迷ったときは「一般の企業で働くことを目指すのか」「支援を受けながら働きたいのか」などの視点から考えてみると良いでしょう。

就労支援を利用するには、障がいや病気を証明する書類が必要になる場合もあります。障害者手帳や医師の診断書などです。難病の人は特定疾患受給者証が必要になることもあります。必要な書類は住んでいる地域や事業所によって異なるため、市区町村の福祉課や利用したい事業所に事前に確認しておくと安心です。


制度利用の問い合わせ先

就労支援事業所を探すときは、市区町村の障害福祉課や専門の窓口に相談しましょう。障害福祉課はいろいろな施設とつながっているため、相談すれば利用できる施設の情報を教えてもらえます。障害者就業・生活支援センターやハローワーク、相談支援事業所などの各施設でも、就労支援事業所を探すうえでのサポートを受けられます。障害者就業・生活支援センターは、仕事や生活で困ったときに相談できる機関です。ハローワークは、仕事を探すサポートをしてくれる機関で、就労支援について相談できます。相談支援事業所は障がいや体調に合わせてどのような支援を受けるのが良いか一緒に考えてくれます。これらの施設は、それぞれ得意なサポートが異なりますが、連携しているため総合的な支援を受けられるでしょう。


まとめ

障がい者や難病があり「就職したいけれど何から始めれば良いのかわからない」「就職後働き続けられるか不安」という悩みを抱えている人は少なくないでしょう。働くことに困難を抱える人をサポートするのが就労支援です。就職先を探す手助けだけではなく、就職後も安心して働き続けられるように仕事の能力を身につけるサポートをします。就職に関して不安や悩みを抱えている人は、まず相談してみましょう。


【参考文献】

障害者の就労支援について(厚生労働省)

障害者総合支援法における就労系障害福祉サービス(厚生労働省)

就労移行支援ガイドブック(厚生労働省)

障害者総合支援法の対象疾病(難病等)の見直しについて(厚生労働省)

各支援機関の連携による障害者就労支援マニュアルよくある質問(厚生労働省)

就労移行支援とは?|岡崎市の就労移行支援ガイド

就労継続支援A型・B型は障害者手帳なしで利用できる?利用条件を徹底解説(一般社団法人就労支援センター)