ハローワーク

難病を患っている人が就職や転職するときに「治療と仕事を両立できるのか」「どのように働けば良いか」と悩む人は多いのではないでしょうか。難病を患っていても正しい探し方をすれば自分に合った仕事をみつけられます。無理のない働き方を実現するためハローワークを利用するのもひとつです。この記事では、ハローワークの概要や対象者、利用時の注意点、問い合わせ先についてご紹介します。


制度や支援センターの概要

ハローワークとは失業中や転職希望の人、障がいや難病があり仕事に関する支援が必要な人にそれぞれの個人に合った職業を紹介してくれる機関です。ハローワークには、障害者相談窓口があり、難病患者就職サポーターが配置されています。難病患者就職サポーターは、各都道府県内のハローワークのうち1〜2箇所に配置されています。

難病患者就職サポーターとは、難病に関する専門スタッフです。難病相談支援センターと連携し、就職を希望している難病の人に症状の特性を踏まえたきめ細やかな就労支援や、難病のある人が働き続けられるように総合的な支援を行っています。障がい者に限定した求人だけでなく、一般の求人にも応募できます。

企業への難病の伝え方を一緒に考えたり、必要に応じて面接に同行したりしてくれます。必ずしも病気のことを伝えておかないといけないわけではありません。企業へ難病に対する必要な配慮について説明してくれるので安心です。これまでの職歴に応じた職業相談が可能です。

障害者手帳や医師の診断書、特定疾患医療受給者証の提示にて専用窓口が利用できます。障害者手帳を持っていなくても支援を受けられます。公的機関なので相談費用は無料です。


利用できる対象者

一般の人だけでなく、難病のある方も利用可能です。

難病とは原因がはっきりわかっておらず治すのが難しい病気です。完治が難しく、一度発症すると長期間に渡って付き合っていかないといけない病気と言われています。2015年に「難病の患者に対する医療等に関する法律」が施行されました。難病は以下の4つの条件を満たす病気として定義されています。

1.発病の原因が解明されていない

2.希少な疾患である(がんや精神疾患、アレルギーなど個別の施作体系が確立している疾患は含まれない)

3.治療方法が確立していない

4.長期の療養が必要

その中でも患者数が少なく治すのが難しい病気を指定難病として国が選んでいます。2024年4月時点で、341疾患が指定難病に認定されています。

指定難病の中でも患者数が多い代表的な病気として、パーキンソン病や潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデスなどが挙げられます。


制度利用の注意事項

ハローワークを利用する前に、まず自分の体調を考えてできそうな仕事を選びましょう。自分が何をしたいのかを考えることも大切です。働くためには、今の自分の病気や今後どのように病気が進行していくか、症状が進むにつれてどのような働き方をするか考えておく必要があります。将来の見通しをつけて、自分ができることとできないことなどを主治医に相談しておくと良いでしょう。一人で悩まず、家族や受診している病院の看護師など周りの人に相談してみることも大切です。体調が安定しないまま働き始めると身体に負担がかかり、症状が重くなって働き続けられなくなるかもしれません。焦らず治療を最優先に考えましょう。働く上で会社に配慮をしてもらいたい場合は、自分がどのような仕事内容ならできるか、何時間なら働けるかを前もって考えておくべきです。無理をせず最初は短時間から働き、身体を慣らしていきましょう。仕事をする上で日常で注意しなければならないことや守らなければならないことを知っておく必要があります。

ハローワークでは1つの求人に多くの応募者が殺到することもあるため、就職を考えている人は日頃から求人情報を収集しておきましょう。就職に向けて早くから少しずつ準備しておくことをお勧めします。


制度利用の問い合わせ先

ハローワークを利用したいときは、自分が住んでいる地域を担当しているハローワークに問い合わせしてみましょう。厚生労働省のインターネットサービスから自分の地域を担当しているハローワークを検索できます。直接ハローワークへ行くだけでなく、相談窓口に電話で問い合わせるのも可能です。通勤が困難な場合に在宅勤務を希望する人が増えてきていますが、ハローワークでの在宅求人件数は比較的少ないです。在宅勤務を希望する場合は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構に相談してみると良いかもしれません。


まとめ

難病を抱えていて「病気や自分の体力に合った仕事を見つけたい」「会社に病気についてどう伝えたら良いかわからない」といった不安や悩みを抱えている人も多いでしょう。ハローワークは、こうした悩みや不安に対する相談に応じ、その人の体調や希望に合った職業や職場を紹介してくれます。


【参考文献】

難病の方の就労を支援しています(厚生労働省)

難病患者の就労に関する相談Q&A(奈良県難病患者就労支援関係機関連絡会議)

就労支援について(新潟県・新潟市難病相談支援センター)

難病に関する留意事項(厚生労働省)