医療的ケア児とは、日常生活において胃ろうや人工呼吸器などの器具を使用したり、たんの吸引などの医療的ケアが継続的に必要な児童のことを指します(※1)。
このような児童とその家族へ支援を行うことは、日本の法律「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」で決められています。2021年に施行されたこの法律は、医療的ケア児の支援に関して国や自治体がすべきことを明確化し、医療的ケア児支援センターの設置などによって児童と家族に対する支援の充実を目的としています。その背景には医療技術の進歩により在宅で医療的ケアを受けながら生活する子どもたちが増加しており、その家族の負担や地域における支援体制などの課題がありました。医療的ケア児支援法によって、医療的ケア児とその家族が地域社会の中で安心して生活できるよう、支援体制の整備が進められています。
支援サービスの内容は児童の状態やニーズによってさまざまですが、主に下記のような支援が行われています。
● 医療的支援
● 福祉的支援
● 教育的支援
● その他の支援
子ども家庭庁の資料では「医療的ケア児」について、法律をもとに以下の説明がされています。(※2)
● 日常生活を送るうえで、人工呼吸器による呼吸の管理、たんの吸引、その他の医療行為を、一時的ではなく継続的に受ける必要があることです。
その他の医療行為には、『気管切開の管理、鼻咽頭エアウェイの管理、ネブライザーの管理、酸素療法、経管栄養(チューブやカテーテルを用いての栄養管理)、中心静脈カテーテルの管理、皮下注射、血糖測定、継続的な透析、導尿など』が例として挙げられています。
● 18歳未満の児童、もしくは18歳以上であっても高等学校やそれに相当する学校に在籍している生徒を対象とします。
支援制度の対象となるのは、上記に当てはまる医療的ケア児本人、およびその家族です。
児童本人のケアや支援に加えて、例えば保護者が看護を行ったり生活する上での相談やサポートなども行われています。
支援制度の利用について、注意しておきたい点を解説します。
● 申請手続き
各支援制度を利用するには申請手続きを行う必要があります。市区町村役場の福祉担当窓口や、医療的ケア児支援センターなどに相談し、必要な書類や手続きを確認しましょう。申請には医師の診断書や意見書、ケアプラン計画書などが必要になる場合があります。
● 利用条件の確認
様々な状況やニーズに対応するため、支援の種類ごとに利用条件が異なります。各種支援の対象となるかどうか、年齢制限や医療的ケアの必要度合いなどを確認・相談しましょう。さらにお住まいの自治体によって、独自の支援制度や利用条件が設けられている場合もありますので、地域窓口などにもご相談ください。
支援の種類によって利用できるサービスの内容や回数、利用料なども異なりますので、利用前によく確認し、不明な点があれば担当者に質問しましょう。
医療的ケア児について、さまざまな支援制度や問い合わせを一本化するための「医療的ケア児支援センター」が存在します。これは医療的ケア児支援法によって整備が進められ、2024年には47都道府県すべてに設置されています。まずはここに問い合わせるのが良いでしょう。
またこれまでと同様に、市区町村役場の福祉担当窓口でも問い合わせを受け付けています。
お住まいの地域や状況にあわせて、相談しやすい場所を選びましょう。
※1 医療的ケア児等とその家族に対する支援施策|子ども家庭庁