「小児慢性特定疾病医療費助成制度」とは、慢性的な病気を抱える児童の医療費を補助する制度です。治療期間が長く、医療費負担が高額となる特定の疾患について、医療費の負担軽減につながるよう自己負担分の一部を国や自治体が助成するものです。
また疾病児童が継続的な治療を受けやすくすることで、対象児童の健全な育成や、疾病の治療方法の確立と普及が行われることも目的とされています。
この制度を実施することは日本の法律(児童福祉法)によって決められており、都道府県などの自治体が主体となって行われています。
利用するためには、まず役所の窓口で医療費助成の申請手続きが必要となります。
認定されれば、月ごとの自己負担上限額が決まり、その上限額を超える医療費は国によって補助されます。上限額は家庭の年収や、疾病の状態といった条件によって異なります。
対象となる医療費は、指定医療機関で行われた診療についての、入院時の医療費・食事療養費、外来診療での窓口負担額、薬局での窓口負担額などの自己負担額です。
さらに在宅の疾病児童の日常生活において必要とされる介護・生活用具についても、購入金額の助成が行われています。
この制度を利用できる対象者の条件には、「年齢」と「疾病の種類」の2つがあります。
年齢については、原則として18歳未満の児童であることが条件です。
ただし18歳になった時点において、すでに本制度の対象となっており、さらにその後も引き続き治療が必要であると認められる場合には、18歳以上20歳未満の方も対象となります。
対象となる疾病は下記の大分類のいずれかに該当し、さらにその疾病の状態が厚生労働省の決めた基準に当てはまることが条件です。
1. 悪性新生物(がん)
2. 慢性腎疾患
3. 慢性呼吸器疾患
4. 慢性心疾患
5. 内分泌疾患
6. 膠原病
7. 糖尿病
8. 先天性代謝異常
9. 血液疾患
10. 免疫疾患
11. 神経・筋疾患
12. 慢性消化器疾患
13. 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
14. 皮膚疾患群
15. 骨系統疾患
16. 脈管系疾患
具体的な疾病や、症状の程度は、「小児慢性特定疾病情報センター」のサイトでご確認ください。またその内容も定期的な見直しが行われているので、最新版をチェックするようにしてください(※1、※2)。
さらに、特に重症であるとされる基準があり、これによって上限額が変動します。この場合の認定基準についてもご確認ください(※3)。
助成制度を利用するために、注意しておくべき点を解説します。
● 対象疾病の確認
制度を利用するためには年齢のほか、厚生労働省の指定した慢性疾病とその状態に当てはまることが条件です。対象となる疾病や基準は定期的な見直しが行われるため、最新情報をチェックしましょう(※2)。
● 指定医療機関の利用
医療費が助成対象となるためには「指定医療機関」での治療であることが必須です。対象外の医療機関では助成対象とならないため注意してください。また申請手続きで提出する意見書も「指定医」からの発行が必要です。指定医療機関、および指定医については「小児慢性特定疾病情報センター」のサイトでご確認ください(※4)。
● 申請・更新手続き
制度を利用するためには窓口で申請手続きを行う必要があります。提出書類は地域によって異なりますが、申請書、指定医からの意見書、住民票などの証明書、その他の書類が必要です(※5)。
認定されると「小児慢性特定疾病医療受給者証」が交付されますが、申請から時間がかかる場合もあります。また交付された受給証には有効期限がありますので、続けて助成を受ける場合には更新手続きが必要です。
● 所得・変更事項の届け出
住所、氏名、指定医療機関などに変更があった場合は速やかに届け出る必要があります。また自己負担額の上限は家庭の年収に応じて異なります。年収に変更があった場合は、特に速やかに届け出を行いましょう。
● 認定日からさかのぼっての助成(※6)
診断から申請までに時間を要した場合でも、必要な医療費助成を適切に受けられるようにするため、さかのぼって助成が適用される制度があります。期間は原則として、申請日からさかのぼって1ヵ月以内(ただし、やむを得ない理由があると認められた場合は3ヵ月)、指定医による診断がなされた日までです。この申請方法については窓口にてお問い合わせください。
制度の問い合わせ先はお住まいの地域に応じて、都道府県、指定都市、中核市及び児童相談所設置市のいずれかです。
詳しくは「小児慢性特定疾病情報センター」のサイトでお住まいの地域から問い合わせ先をご確認ください。(※7)
※2 小児慢性特定疾病の対象疾病リスト|小児慢性特定疾病情報センター
※4 自治体別指定医・指定医療機関|小児慢性特定疾病情報センター
※6 小児慢性特定疾病医療費の支給認定の開始日を遡ることができます|厚生労働省