「小児慢性特定疾病児童等支援事業」とは、慢性的な病気を抱える児童とその家族を支援し、児童の健全な育成と自立を支えることを目的とした事業です。
支援の主な内容は以下の通りです。
● 医療費の助成
対象児童の医療費の、自己負担分の一部を助成する制度です。
(別の記事にて詳しく説明します)
● 相談支援
児童や家族から、疾病や療養に関する悩み・不安についての相談を受けて、必要な情報提供やアドバイスを行います。
医師などが医療機関からの連絡票に基づき家庭看護や生活に関する相談・指導を行うもの、自宅に巡回して相談・指導を行うもの、疾病を抱えた児童の養育を経験した人が相談や助言を行うものなどがあります。
相談の結果、必要であれば個別のサポートや具体的な支援の窓口へと引き継ぎます。
さらに対象児童の所属する学校や企業に対しても、制度や疾病に対しての理解促進のため、相談援助や情報提供を行います。
● 自立支援 (教育・就職など)
地域に配属された「自立支援員」がメインの担当者となり、児童の自立に向けてサポートを行います。
対象児童の状況・希望などをふまえて、地域の支援策を活用するための手続きや、自立に向けた計画づくりなどをフォローし、長期的に支援します。
また児童本人が疾病を抱えながら社会と関わるために、症状などの自覚および家族や周囲との関係構築の方法など、自立に向けた心理面その他の相談を行うといった役割もあります。
さらに意欲がありながらも教育や就労に問題を抱えているといった場合にも、関係者が連携して学習支援や就労支援を行います。
● 介護者支援
介護者の負担を軽減し、児童が適切な療養生活を送れるような支援も行われています。通院等の付添いや、家族の付添い宿泊、きょうだいの預かり支援などがその例です。ほかにも、疾病児童が一時的に医療施設などに滞在したり、訪問介護を受けることで、介護者が休息をとれるようなサポートも行われています。
● 情報提供・関係機関との連携
病気や治療、そして上記の支援に関する適切な情報を、必要とする児童や家族に伝えます。
また医療機関、学校、福祉施設など、関係する機関が連携してサポートが途切れないようにします。ここではとくに自立支援員が関係機関とのあいだの調整役となり、スムーズな支援が行えるようつとめます。
これらの支援事業を行うことは日本の法律(児童福祉法)によって決められており、都道府県などの自治体が主体となって実施しています。
この制度を利用できる対象者の条件には、「年齢」と「疾病の種類」の2つがあります。
年齢については、原則として18歳未満の児童であることが条件です。
ただし18歳になった時点において、すでに本制度の対象となっており、さらにその後も引き続き治療が必要であると認められる場合には、18歳以上20歳未満の方も対象となります。
対象となる疾病は下記の大分類のいずれかに該当し、さらにその疾病の状態が厚生労働省の決めた基準に当てはまることが条件です。
1. 悪性新生物(がん)
2. 慢性腎疾患
3. 慢性呼吸器疾患
4. 慢性心疾患
5. 内分泌疾患
6. 膠原病
7. 糖尿病
8. 先天性代謝異常
9. 血液疾患
10. 免疫疾患
11. 神経・筋疾患
12. 慢性消化器疾患
13. 染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群
14. 皮膚疾患群
15. 骨系統疾患
16. 脈管系疾患
具体的な疾病や、症状の程度は、「小児慢性特定疾病情報センター」のサイトでご確認ください。またその内容も定期的な見直しが行われているので、最新版をチェックするようにしてください(※1、※2)。
支援制度を利用するために、注意しておくべき点を解説します。
● 対象疾病の確認
制度を利用するためには年齢のほか、厚生労働省の指定した慢性疾病とその状態に当てはまることが条件です。対象となる疾病や基準は定期的な見直しが行われるため、最新情報をチェックしましょう(※2)。
● 申請手続き
制度を利用するためには窓口で申請手続きを行う必要があります。提出書類は地域によって異なりますが、申請書、医師の診断書、住民票などの証明書、その他の書類が必要です。
また申請後、認定までには時間がかかる場合もあります。
● 関係機関との連携
制度の利用にあたっては、医療機関、学校、福祉機関等の関係機関との連携が必要になります。スムーズに支援が受けられるよう、関係機関に必要な情報を提供して連携協力を行いましょう。
● 相談窓口の活用
制度の申請や利用に関する疑問点や不安があれば、相談窓口を活用しましょう。専門の相談員により、適切なサポートを受けることができます。
制度の問い合わせ先は、支援を行っている都道府県、指定都市、中核市及び児童相談所設置市のいずれかです。
詳しくは「小児慢性特定疾病情報センター」のサイトでお住まいの地域から問い合わせ先をご確認ください。(※3)
※1 疾患群別一覧|小児慢性特定疾病情報センター
※2 小児慢性特定疾病の対象疾病リスト|小児慢性特定疾病情報センター