医療費助成制度 基本的な仕組み

自分が病気になったとき、家族が病気になったとき、人それぞれいろいろな不安が出てくるでしょう。病気としっかり向き合うためにも、できるだけお金の不安は減らしたいものです。

病気になったときにできるだけお金の心配なく治療に専念できるよう、医療費の負担を減らせる医療費助成制度というものがあります。この記事では、医療費助成制度の仕組みや注意点などをわかりやすく解説します。問い合わせ先に関しても記載していますので、どこに相談したらいいかわからない方も、本記事を参考にしてください。

医療費助成制度とは

医療費助成制度とは、医療機関や薬局を受診したときに支払う医療費の負担を軽減するための制度です。

医療費を助成する制度にはたくさんの種類があり、総称して医療費助成制度と記載しています。どのような制度なのか、制度の仕組みと種類を解説します。

制度の仕組み

日本には国民皆保険制度があり、誰もが医療保険に入っています。医療機関を受診して保険診療を受ける場合、私たちは医療費をすべて支払っているわけではありません。普段保険料を支払っている代わりに、保険者と呼ばれる機関が医療費の一部を負担します。そのため、私たちは医療費の残りの一部しか支払わなくて良いという仕組みです。保険者や支払う医療費の割合は、職業や収入、年齢などにより異なります。

しかし、長期的な治療が必要な場合や家庭環境などによっては、医療費の一部だとしても家計の負担が大きい場合もあるでしょう。負担が大きいと判断される場合は、さらに医療費の負担が減る助成制度があります。制度の種類によってさまざまですが、国や都道府県などが代わりに負担します。


制度の種類

医療費を助成する制度にはたくさんの種類があり、以下のものなどがあります。

医療費助成制度 内容
医療費控除 1年間に支払った医療費が一定額を超えると、確定申告により控除*を受けられる制度。一定額は収入などによって異なる。
高額療養費制度 1ヶ月の医療費の支払い額が上限を超えた場合、超えた額が支給される制度。上限額は年齢や収入などによって異なる。
難病医療助成制度 指定難病の治療にかかる医療費が助成される制度。
小児慢性特定疾病への助成制度 対象とされている病気の治療にかかる医療費が助成される制度。
各地方自治体による制度 都道府県や市町村など、各地方自治体による制度。自治体によって内容が異なる。

控除*:金額などを引くこと。ここでの控除とは、所得税を計算するときに収入から引くものを指しており、控除額が多くなると支払う所得税が少なくなる。


医療費助成制度を利用できる人

制度によって助成を受けられる対象はさまざまです。いくつか例を挙げて紹介します。

医療費助成制度 対象者
医療費控除 申告する方と家族を含めて、1年間に支払った医療費が一定額を超えた方。一定額は収入などによって異なる。
高額療養費制度 1ヶ月の医療費の支払い額が上限を超えた方。上限額は年齢や収入などによって異なる。
難病医療助成制度 指定難病と診断された方。
小児慢性特定疾病への助成制度 糖尿病や血液疾患など、対象とされている小児慢性特定疾病と診断された18歳未満の児童。(ただし18歳になった時点でこの制度の対象となっており、引き続き治療が必要な場合は20歳未満も対象。)
各地方自治体による制度 自治体によって対象や内容はさまざま。(乳幼児やひとり親など)


医療費助成制度の注意事項

制度を利用する際は、いくつか気をつけるべきことがあります。

制度によってさまざまのためすべてではありませんが、いくつか例を挙げて解説します。制度自体が変更になることもあるため、制度を利用中の方も注意しましょう。

基本的に申請が必要

制度を利用して助成金を受け取るためには、基本的に申請が必要です。期限内に書類の記入や提出をしないと、制度の対象であっても助成金を受け取れない可能性があるため、忘れずに申請しましょう。

高額療養費制度は、医療機関でマイナンバーカードによる申請もできます。マイナンバーカードを保険証として使用しており高額療養費制度の対象となりそうな場合は、医療機関で相談してみましょう。


場合によっては一時的に立替が必要

制度によって、事前に申請しておけば支払いが免除されるものと、いったん支払いをして後から助成金を受け取るものがあります。

事前に申請する場合は、申請後に受給者証や認定証などを発行してもらい、受診時に見せることで支払いが免除されます。事後申請の場合や証明証がない場合など、一時的に高額な支払いが必要となることがあるため注意しましょう。

また、申請に領収証が必要な場合があるため、領収証は取っておくようにしましょう。


医療費助成制度についての問い合わせ先

制度を利用できるかもと思った場合は、まずは対象となるかどうか相談してみましょう。

対象となる場合は、必要な手続きについて確認すると良いでしょう。制度によって問い合わせ先はさまざまですが、以下を参考にしてください。


医療費助成制度 問い合わせ先
医療費控除 税務署
高額療養費制度 保険証に記載されている保険者 市町村の国民健康保険の相談窓口 など
難病医療助成制度 都道府県や指定都市の相談窓口(保健所等) など
小児慢性特定疾病への助成制度 厚生労働省健康局難病対策課小児慢性特定疾病係 など
各地方自治体による制度 各地方自治体の相談窓口(各自治体のホームページなどに記載されていることが多い)


まとめ

医療費助成制度には、さまざまな種類があります。都道府県などによって異なる場合や、制度が変更になる場合があるため注意してください。

たくさんの制度があり、どのようなときに制度が使えるのか覚えておくのは簡単ではありません。このような制度があることを知っておき、困ったときに相談できるようにしておきましょう。

【参考】

日本の国民皆保険制度の特徴

医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁

高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省

難病対策|厚生労働省

小児慢性特定疾病対策の概要|厚生労働省